■ 第3日 / 11月5日 ■
4日の現場は無事終り、その夜はススキノで生ジンギスカンに舌鼓を打ちました。
駅 名
時 刻
列 車
線区名
札幌
06:55発
3001M
スーパーホワイトアロー1号
函館本線
滝川
07:44着
08:05発
3425D
根室本線
富良野
09:08着
10:02発
728D
富良野線
旭川
11:10着
11:20発
13D
オホーツク3号
宗谷本線
新旭川
通過
石北本線
遠軽
13:18着
翌11月5日、他の人達より早くホテルを後にし、札幌駅へ向かいます。
この日の最初の列車は6時55分発の3001M「スーパーホワイトアロー1号」。前面のLEDには列車名以外にも北海道が表示されます。
椅子にはコンセントがありました。新幹線でもほんの一部の席でコンセント付きである事を売りにしている車両がありますが、JR北海道はその先を行っています。
7時44分、滝川着。ホームの自動販売機にはいい日旅立ちのロゴがありました。
左に停まっているのは国鉄型の711系。あまり遠くない将来に消えてしまいそうな形式なので早目に乗りたいと思いつつも、巡り合わせが悪くて未だ乗れていません。
根室本線のホームに行くと、8時5分発の3425D富良野行き快速が待っていました。
9時8分、富良野着。車中ではほとんど寝てしまっていました。構内にはDD51が留まっています。
次の列車までは約1時間の時間があるので、朝食を摂る場所を探しに駅を出ます。駅前には記念撮影をしている中年夫婦がいました。
駅からすぐの交差点は一角が駐車場になっていて、商店街の屋根だけが浮いています。
スーパーの前を通り掛かると、大根が大きな袋に入れられて積まれています。結構な大きさのが7本位入って498円とかなり安いですが、消費するのが大変です。
結局目ぼしい店がなかったので、駅に戻って立ち喰いで済ませます。
次の列車は10時2分発の728D旭川行き。滝川からV字型に移動して旭川へ行くという形になります。
また眠ってしまいつつ、11時10分に旭川着。富良野線ホームである6/7番線は他のホームとかなり離れていて、その間は地下道で繋がっています。この空地には以前機関庫があったそうで、将来高架駅がここに建つそうです。
次の列車は13D「オホーツク3号」。11時20分の発車で、10分間での乗り継ぎです。
13時18分、遠軽着。午後になったばかりですが、今日の旅程はここで終りです。遠軽はスイッチバック駅なので「オホーツク3号」はここで方向転換します。
駅を出て、立ち喰いの横で「オホーツク3号」を見送ります。店の中ではおばさんが編物をしていました。
駅舎は一段上がった所にありました。遠軽は2回通った事がある駅ですが、車内からでは気付きませんでした。
この日の宿は駅から少し歩いた所にあるホテルサンシャインというビジネスホテル。かなり早い時間でしたが、チェックイン出来ました。一部の部屋に導入されている無線LANサービスがない部屋に通されましたが、ロビーでも繋がるのでメールチェックをしてから15時頃に出掛けます。
まずは駅前のそば屋で食事。そばも天ぷらもなかなか美味しかったです。
まずは駅へ向かい、線路端を歩きます。ドラえもんとのび太が怒っている通り、鉄道の線路に立ち入るのは危険なだけでなく犯罪なので、道路と思われる所を通りました。
それにしても、のび太の表情が怖いです。ドラえもんはまだ謝れば許してくれそうですが、のび太の眼の据わり方からは静かな雰囲気の裏側から滲み出る狂気と言うか、何をされるか判らない怖さを感じます。
遠軽からはオホーツク海沿いに北上し、紋別を経由して名寄へと至る名寄本線が出ていました。名寄本線から分岐していた路線も3本ありましたが、渚滑からの渚滑線が'85年3月、興部からの興浜南線が同年7月、中湧別からの湧網線が'87年3月に廃止され、枝を全部落とされて幹だけになっていた名寄本線自体も'89年4月に廃止されてしまいました。
元々石北本線は遠軽でスイッチバックをしていたのですが、何本も走っていた名寄本線との直通列車も当然全廃、遠軽を通る列車は全てスイッチバックをする事になりました。
駅から名寄本線が伸びていた方向を見ると、数百mだけ線路が残されていました。しかし左にカーブした先に車止めがあり、そこで線路がふっつりと途切れています。
駅にはDD51牽引の貨物列車が入っています。奥に見えるのは瞰望岩(がんぼういわ)、遠軽のシンボルです。
貨物列車の逆側。こちらにもDD51がいます。石北本線の貨物列車はDD51の重連で運転していましたが、最近合理化の為に貨車の前後に機関車を繋ぐプッシュプル方式になったそうです。
重連の場合は統括制御と言って、先頭の機関車に乗った機関士の操作で後の機関車(無人の場合も多い)も一緒に動かす機能を使えるのですが、プッシュプルだと間に貨車が挟まって統括制御用のケーブルを引き回せず、両方の機関車に機関士が必要になります。しかし機関車を付け替える手間とその誘導員を省け、更に信号の操作も不要になる事から、差し引きで考えるとこちらの方が合理的だという判断のようです。
跨線橋があったので、その上から遠軽駅を眺めます。左手前が札幌方面、右手前が網走方面で、両方とも駅構内の全部の線路に繋がっているのが判ります。
跨線橋を渡った先には郷土館があり、まだ開いているようだったのでちょっと惹かれましたが、日没まであまり時間がなさそうなので諦めて先に進みます。
瞰望岩の根元には神社があり、ここでもモミジが真っ赤に色付いています。
神社の脇には鉄道公園があり、D51 859が保存されていました。立派な屋根に覆われているので、保存状態は良いようです。看板にカバーが掛かっている所を見ると、冬支度が始まっているようでした。
公園にあった瞰望岩の説明看板。アイヌの人々が瞰望岩をインカルシと呼び、そこから遠軽という名前が産まれたという事は、瞰望岩は単なる遠軽のシンボルではなく、瞰望岩あっての遠軽と言える程に重要な存在のようです。
公園で色々見ていると貨物列車が発車して行きました。こちら側の線路を通るという事は、札幌方面行きです。
近くで見る瞰望岩はやはり大きく、35mmのレンズでは引きが取れずに収まりません。僕はこの時点でまだ頂上への道を見付けられずに右往左往しています。
瞰望岩に向かって右側は神社なので、左側にあるだろうと歩くと、冬支度を終えた車両がいました。看板もカバーが掛かっていて詳細は判りませんが、この特徴的な形は間違いなくラッセル車のそれです。
ラッセル車の前を通って進むと、橋の向こうに階段が見えます。これが頂上への道のようです。
途中で数回休みを取りながら登り切り、振り返ると凄い角度でした。途中で階段が一度見えなくなっています。しかも一番下以外には街灯がありません。日没が近いので、それを念頭に置いて行動する事にしました。
登った先には広場があり、車が停まっていました。裏側には車が通れる道があり、僕はなんとなくがっかりしてしまいました。
頂上まではもう一登りありました。ちょうど若いカップルが下りて来る所で、さっきの車に乗って何処かへと去って行きました。
黄色い看板には「お知らせ 頂上には危険防止柵を設けておりません 各自で十分注意をして下さい。 遠軽町」と書かれています。なんでもかんでも人から危険を遠ざける過保護なこの国の行政には珍しいですが、警告は与えるから後は自分で考えなさいというのは当たり前のスタンスだと思います。
ようやく辿り着いた瞰望岩の頂上。以前「オホーツク」の車内から見た展望台が眼の前にあります。
角度がほぼ垂直で腰が引けますが、崖から下を覗いてみると、ショベルカーがとても小さく見えます。ここで悪ふざけをすると死に直結する事はひと目見れば誰でも判るので、もしかしたらそれで柵を設けていないのかも知れません。
ここに立って思い出したのはパリのノートルダム寺院です。中庭を囲むように建物があり、柵がないのでその屋根に出られるようになっていて、屋根に座って話をしていたり寝転がって本を読んでいる人がいっぱいいました。
瞰望岩で1回転(8.1MB / 31秒間)
久し振りの1回転ムービーです。最初と最後に映る建物は'63年に建てられた天文台で、この裏手には竪穴式住居跡があるそうです。
駅を見ると、キハ40系の単行がホームに停まっているのが見えます。右上の茶色い建物が今夜泊まるホテルサンシャインです。
4626D発車(14.7MB / 58秒間)
少しすると、キハ40系2両編成の列車が札幌方面に発車して行きます。遠軽始発16時26分旭川行きの4626Dです。テレ端で狙ってみましたが、結構良い感じで追い掛けられました。
4671D発車(5.9MB / 23秒間)
今度は網走方面に向けて遠軽始発16時34分生田原行き4671Dが出て行きます。辺りは一気に暗くなっていますが、DMC-FX8のムービー機能は結構強力で、相当暗くてもきっちり絵にしてくれます。
西の空はそろそろ夕暮れが終ろうとしています。意外と言っては失礼ですが、こうやって見ると遠軽の市街地は結構広いです。
山の向こうに月齢の若い月と等級の高い星が浮かんでいます。もうかなり暗くなってきていて、あの階段の下りが心配なので地上に戻る事にします。
さっきより少し離れた場所から瞰望岩とD51を撮ってみます。うすら明るい空に瞰望岩のシルエットが黒々と浮かび上がっています。
まだ17時過ぎですが、完全に夜のムードの町で居酒屋を探します。遠軽の繁華街はゆうあい通りという所が中心のようでしたが、あまり開いている店はありませんでした。
しばらくうろうろしてから入ったのはやすべえという店でした。カウンター中心の小ぢんまりとした店で常連客以外は珍しいのか、店の中で自分が異物になっている事をはっきりと感じます。どこで食べても外れのないソウハチを楽しんでいると、近くに座っていた常連のおじさんがもずくの天ぷらを分けてくれました。初めて食べた料理でしたが、シャクシャクとした食感ともずくの香りがとても美味しかったです。
おじさんにお礼を言って店を出て、コンビニを探します。少し歩いて見付けたコンビニがあった通りは連隊通りという名前で、そういえば居酒屋にも自衛隊関係のポスターがあったなと調べると、市街地から湧別川と生田原川を越えた先に第25普通科連隊が詰めている陸上自衛隊遠軽駐屯地と演習場がありました。この駐屯地は自衛隊がまだ警察予備隊だった'51年に地元の誘致もあって発足、最初の隊舎は馬小屋だったそうです。
ホテルに戻り、ぼけっとTVを見ていたら地上波初登場の「スウィングガールズ」が始まりました。仕事で抜粋版のビデオを何十回となく見ていたのと、ちょっとだけ教えていた子がガールズの中にいた事もあって、観てみたいと思っていた映画だったので、脚本の矛盾が気になりながらも結構楽しく最後まで観ました。
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